■プリズム加工をした眼鏡
■近くの物を見る時、目は自然と寄り目になります。この内寄せをする事を(輻輳ふくそう)と言います。ご自身の目が内寄せしずらく、物が二重に見えるなどで、いつも行う検査とは別の検査を眼科で受ける方も少なくありません。
片眼の視線が、目標からズレる。
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<例>視力表の横列に対して、⇒ |
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上に同じものが見える場合もあります。 |
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下に同じものが見える場合もあります。 |
視線の通り道を変えて対処(プリズム加工例)
これについては各眼科医の見解により異なります。二重に見える頻度が少なければ特別な加工はせず、矯正度数のみ。頻度が多く体調がすぐれない等の強い症状の場合はプリズム眼鏡を処方することがあります。ズレ方の大小(午前と午後とのズレ方)の違いも出ますので、何回か時間帯をずらして検査をして結果を出す事もあります。何れも眼科医の指示に応じて下さい。
※片眼のズレであってもプリズム眼鏡を作る場合は基本的に両眼共にプリズム加工をします。
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プリズム作用による視線の一致 |
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1. フレネル膜を使う方法
■日本国内のレンズで製作できるプリズムは、片眼5プリズムまでです。5プリズム以上を必要とする場合、眼鏡レンズはプリズム加工をして、不足しているプリズム量をフレネル膜という「膜プリズム」をレンズに貼って、不足分を補う方法もあります。
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ギザギザしたアクリル樹脂で出来て いる医療用具で、医師の判断のもと 用意し、レンズに装着します。 |
フレネル膜の断面です。 |
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フレネル膜の基底を外側に向けて 装着するとプリズム外方となる。 |
眼鏡レンズに装着したイメージ。 |
2. オクルーダーを使う方法
■プリズム加工はせず、片眼を曇りガラスのような明るさのみを取り込めるシールを貼った状態にして物を1つに見せる方法もあります。
この場合、「つぶった方が良い」という訴えがある目を遮へいします。
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オクルーダーのイメージ。レンズ 形状にカットして、裏面に貼って 片眼を遮へいしてダブリを防止。 |
80代後半<女性Aさん> ◇内斜視「プリズム加工眼鏡」
物が二重にダブって見えてしまう・・眼科での精密検査による結果、通常の眼鏡とは異なる作り方をします。
症状としては、一定の距離から先の視線が交差してしまい二重に見えてしまいます。
遠視を矯正した度数だけでは改善しないため、外側を厚くして光の方向を変えるプリズム加工をしたレンズを用いて、物が一つに見えるようにします。この眼鏡をかけるお客様は、ご自分の眼鏡が、いざという時すぐに出来上がらないことを御理解しています。そのため突然のアクシデント等に備えて、常に同じ度数の眼鏡を2本持っています。命の次に大事なもの!との事。
症状としては、一定の距離から先の視線が交差してしまい二重に見えてしまいます。
遠視を矯正した度数だけでは改善しないため、外側を厚くして光の方向を変えるプリズム加工をしたレンズを用いて、物が一つに見えるようにします。この眼鏡をかけるお客様は、ご自分の眼鏡が、いざという時すぐに出来上がらないことを御理解しています。そのため突然のアクシデント等に備えて、常に同じ度数の眼鏡を2本持っています。命の次に大事なもの!との事。
60代後半<女性Aさん> ◇外斜視「プリズム加工眼鏡」
外斜視は多くが斜視になったり正しい位置になったりする間歇性(かんけつせい)外斜視と呼ばれるタイプのものです。元々寄り目が苦手だったり、眼を寄せる力が元々弱かったりする場合、プリズムレンズを用いて両目が同時に内側を向く動き「輻輳(ふくそう)」を行ってあげることが多くあります。
複視が起こる
70代後半<女性Bさん> ◇上下斜視「プリズム加工眼鏡」
通常、目は内寄せ(寄り目)することは可能ですが外向きや、上下別々の動きを行なうことは出来ません。近視に多い外斜視であればプリズムに頼らず、度数を強めに入れて眼位補正を行なうことも多いですが、近くの物を見る時に必要な内寄せ運動が困難(輻輳ふくそう不全)であったり、上下複視の場合はプリズム加工された眼鏡が有効的です。